プログラミングは自分たちの身近な問題を解決するツールになる

1.講師を始めたきっかけは?

プログラミングの説明をしている中村先生
自分の中で「プログラミング」と「教育」がつながったからです。
小学生の頃、RPGを自分で作れるゲームに出会いました。キャラクターやアイテムなどの設定を考えるのも楽しく、ゲーム内で起こる「イベント」の作成にワクワクしたのを覚えています。
キャラクターを動かしたり戦闘を発生させたりと、「命令」を全て「順番通り」に作る必要があります。
遊びながら、自然とプログラミングの基本的な内容を学んでいたんですね。当時は「プログラミング」という言葉も知りませんでしたが、コンピュータで命令をつなげて考えたことが実現できると、とても面白く熱中していました。
社会人になってからプログラミング言語を学び始めた時に抵抗がなかったのは、この時の経験があったからだとも思います。
ではなぜ大人向けではなく、子ども向けのプログラミング教室で講師をしているのか?
それは、学生の頃から続けている小学生対象の理科実験教室での体験が大きいです。こちらが用意した内容だけでなく「こうしたらどうなるだろう」と子どもは自分で違う方法を試してみるなど、子どもの創造性に驚かされることが何度もありました。
どのような体験をする内に、仕事でも子どもの好奇心を刺激したり、創造性を発揮したりできる場に関わることができないかと思い、プログラミングキッズの講師を始めました。
2.授業をするうえで心掛けていることを教えてください

心がけているのは2つあります。
一つ目は、手を上げて発言する機会を大切にしています。
正解だけを発表する時間ではないので、間違っていたとしても、その子の意見を大切にしています。
二つ目は、子ども自身で答えを見つけ出せるように伝えています。
答えを教えると、子どもは試行錯誤しません。問題を出すと、わからないと言って答えをずっと待っている状態になるので、答えではなくヒントや考え方を教えています。
試行錯誤して、自分でできたという体験を積み重ねが大切だと思っています。
3.子どもに対して伝えたい事はありますか?

子どものサポートをする中村先生
伝えたいことは二つあります。
一つめは無限の可能性があることです。プログラミングはやり方次第で、思いもよらないことができます。実際に授業で目の当たりにしています。例えば、ロボットを動かすミッションで、スタートからゴールまで行く道筋をつくるプログラミングの授業がありました。
普通に考えると、スタートからゴールまでの最短距離でいく方法を思いつきます。中にはスタートから遠回りをしてゴールに行ったり、ロボットの動きを早くして、最短時間で行ったりと様々です。一つのことをするにもやり方は無限にあります。プログラミングを通してそのことを感じてほしいです。
二つ目は、プラグラミングは自分たちの現実、そして未来とつながっているということです。ゲームを作ったりロボットを動かしたりと、授業の中では楽しい体験ができます。それだけではなく、現実の身近な問題を解決したり、自分たちの生活をよりよくしたりするために、コンピュータ、そしてプログラミングがどう使えるかを考えるきっかけにして欲しいと思います。